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経常運転資金の内容や回転期間・回転率の計算方法を徹底解説

2020年3月22日

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経常運転資金の内容や回転期間・回転率の計算方法を徹底解説

2020年3月22日

経常運転資金
事業を経営していると、当然ながら様々な運転資金が必要となります。

中でも経常運転資金は、事業を継続していく中で売上入金と仕入支払のギャップを埋める為に必要不可欠なものであり、不足すれば黒字倒産などを招きかねません。

また、自分の会社の必要な運転資金がどの程度なのかを把握しておくことも重要となります。

たとえば、急に売上が減少した場合に、適正な運転資金を把握できていなければ資金が枯渇してしまう可能性もあるのです。

そこでこの記事では、経常運転資金の内容や、運転資金や回転期間・回転率の計算方法、経常資金を補うための資金調達手段などの情報を徹底解説していきます。

経常運転資金とは

経常運転資金とは、会社が正常な営業活動を行っていくうえで恒常的に必要と認められる運転資金です。

現金売上、現金仕入れの場合は不要ですが、掛取引などの信用取引を行っている企業には不可欠なものとなっています。

経常運転資金の計算式

経常運転資金を正しく把握するためにも、まずはその計算式を知りましょう。

経常運転資金の計算式は以下のようになります。

経常運転資金=売上債権+棚卸資産-買入債務
〇売上債権=売掛金や受取手形などのすでに売上済ではあるが、まだ入金となっていない資産

〇棚卸資産=会社が販売する目的で一時的に仕入れ、保有している商品・製品・原材料・仕掛品

〇買入債務=仕入先・取引先に対する債務である買掛金と支払手形の合計

経常運転資金が必要となる理由とは?

まずは、通常の会社の営業サイクルを見てみましょう。

営業サイクル

①商品を仕入れる(買掛金発生)
②在庫を保有する
③在庫を販売する(売掛金発生)
④買掛金を支払う
⑤売掛金が入金される

上記を見ていただくとわかる通り、一般的な会社は売掛金が入金される前に、先に買掛金の支払い期日が到来することとなります。

よってこの間には、手元に売掛金とは別に現金(経常運転資金)を用意しておかなくては、買掛金の支払いはできなくなってしまう可能性があるのです。

また、中には買入債務のみを見積もった現金を用意する方もいらっしゃいますが、会社はそれ以外にも光熱費や家賃、人件費など、仕入れ費用以外にも必要となる支払いがあります。

そのため、会社は買入債務の代金だけではなく、買掛金の支払いと売掛金の入金のズレの期間に生じる買入債務や、その他の支払いに必要となる運転資金を手元に置いておかなくてはいけないのです。

回転率によって正確に運転資金を算出する方法

上記の簡易的な計算式は、「簡単に運転資金を計算できる」というメリットがある反面、「正確な数値を算出しにくい」というデメリットがあります。

たとえば、売上債権の実際の入金時期は会社によって大きく異なってきますし、在庫を多く抱える会社では1年先に入金となる棚卸資産を抱えているかもしれません。

ようは、簡易的な計算式には、その会社の「時間」という概念が具体的に考慮されていないため、正確な数値を計りにくくなっているのです。

よって、より正確な数値を算出するためには、それぞれの「回転率」を計算した上で運転資金を求める必要があります。

そこで、以下の計算式を用いて、まずは回転率を計算していきましょう。

棚卸資産回転期間

例としまして、年間売上1,000万円、売上債権200万円、棚卸資産100万円、買入債務150万円という仮定の会社があることを想定し、棚卸資産回転期間を算出していきます。
「棚卸回転期間」とは商品を仕入れ、その商品をどのくらいの期間で販売しているかという指標です。

計算式は以下の通りとなります。

棚卸資産回転期間=棚卸資産÷1日あたり売上

ちなみに、1日当たりの売上は「年間売上÷365日」で算出できるため、上記の仮定会社の場合「1千万円÷365日=27,397円」となります。

よって、各数値を当てはめてみると、以下のように計算することができます。

棚卸資産回転期間(36.5日)=棚卸資産(1,000万円)÷1日あたり売上(27,397円)

結果、この会社の棚卸回転期間は、「36.5日」ということがわかります。

売上債権回転率

売上債権回転期間とは、商品やサービスを提供し、その代金を何日で回収できているかという指標です。

こちらも、年間売上1,000万円、売上債権200万円、棚卸資産100万円、買入債務150万円という仮定の会社を例にして算出していきます。

売上債権回転期間=売上債権÷1日あたり売上

上記が、売上債権回転期間を求める計算式です。
これに、各数値を入力すると以下のようになります。

売上債権回転期間(73日)=売上債権(200万円)÷1日あたり売上(27,397円)

結果、この会社の売上債権回転期間は「73日」であることがわかります。

買入債務回転期間

買入債務回転期間とは、商品を仕入れてから何日で支払うのかを示す指標です。

こちらも、年間売上1,000万円、売上債権200万円、棚卸資産100万円、買入債務150万円という仮定の会社を例にして算出していきます。

買入債務回転期間=買入債務÷1日あたり売上

上記が、買入債務回転期間を求める計算式です。

これに、各数値を入力すると以下のようになります。

買入債務回転期間(54.7日)=買入債務(150万円)÷1日あたり売上(27,397円)

結果、この会社の売上債権回転期間は「54.7日」であることがわかります。

3つの回転期間から算出された必要運転資金

上記の仮定会社(年間売上1,000万円、売上債権200万円、棚卸資産100万円、買入債務150万円)を例にした場合、以下のように各回転期間を求めることができました。

ポイント

〇商品を仕入れてから販売するまで(棚卸資産回転期間)=36.5日
〇商品を販売してから現金化するまで(売上債権回転率)=73日
〇商品を仕入れてから支払うまで(買入債務回転期間)=54.7日

そして、この回転率をもとに運転資金回転期間を計算すると、以下のようになります。

①36.5日+②73日-③54.7日=54.8日

最後に、必要運転資金を算出しましょう。
この会社の1日あたりの売上高は27,397円であるため、以下のように計算できます。

1日の売上(27,397円)×運転資金回転期間(54.8日)=1,501,355円

この会社を例にした場合、「1,501,355円」の運転資金が手元に必要ということとなります。

また、前述しました簡易的な運転資金の計算方法で算出した場合、回転期間を含めた計算と比較すると大幅なズレを生む可能性があるため注意が必要です。

正確な額の運転資金を準備しておかなくては資金がショートしてしまうリスクもあるため、できるだけ回転期間を活用した上で正確な計算を行っておくことが肝要となります。

経常運転資金の補填はファクタリングが最適

回転期間を含めた計算を行えば、より正確な経常運転資金の算出を行うことができます。

しかし、必要な運転資金を算出できたとしても、その資金を必ずしも準備できるかといえばそうではありません。

特に、中小企業などは資金繰りに窮しているケースも非常に多く、必要な運転資金を用意できない可能性も極めて高くなっています。

そこでおすすめとなるのが、ファクタリングにて経常運転資金を補填する手段です。

ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング業者へ売却し、現金を手にする資金調達方法であり、以下のような特徴があるため、経常運転資金を補填するのに非常に向いているのです。

資金不足で悩んでいる場合は、ファクタリングで補うことを検討してみましょう。

ファクタリングが経常運転資金の補填に向いている理由

〇借り入れではなく、あくまで「債権の売却(譲渡)」による資金調達であるため、担保等は不要で資金の調達ができる

〇審査は売掛先の与信に対して行われるため、経営の苦しい中小企業などでもしっかりと現金を調達できる

〇売掛債権さえあれば、誰でも資金を調達可能

〇最短ならば即日で現金を調達できる

経常運転資金を把握して資金繰りの有効活用を

滞りなく経営を継続していくためにも、回転期間を計算し、できるだけ正確な経常運転資金を算出してきましょう。

また、算出した運転資金を準備するのが難しい場合は、審査が甘く機動的に資金を調達できるファクタリングを利用してみてはいかがでしょうか?

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